ME11教科書からの「数と式」 2012年度より,”悪の帝国”文部科学省の新学習指導要領による教育統治がはじまっている。私は日頃からマスクマンとして学校の教育現場に立っているが,これまでは自作の教材を用いての指導に専念してきた。もちろん,検定教科書も参照はしているが,教科書の枠組みに囚われることなく,講義内容を再構成して,1コマ毎の講義に臨んできた。 今春より,新教育課程の世代の高校生を受け持つことになった。そこで,気分を一新させて,悪の帝国による検定を受けた教科書を用いての講義をしてみることにした。私の「悪の帝国」論については「哲人の辞書」ほか,これまでの言論活動で述べてきた姿勢に揺るぎはない。今回の教科書改訂は「脱ゆとり」に舵を切ったとされており,教のページ数が1割〜2割程度増加したということが巷間に伝えられている。しかし,中身をよく見てみれば「理数科教育の危機」と言われる状況には変わりはないことがわかる。詳細は機会をみて論じることにしたい。 私の「悪の帝国」論の対象は,教育を司る中央官庁としての文科省や,各地の教育委員会等の権力機構を指すものであって,公教育を預かる個々の先生方を批判の対象とするつもりはさらさらない。実際のところ,私の知る多くの教員の皆さんは,さまざまな工夫と苦労を重ねておられる。また,悪の帝国の検定を受けた教科書ではあるが,その執筆者の先生方を批判するつもりでもない。教科書の行間をよく読み込んでみれば,教科書執筆者の先生方も,苦労を重ねておられることが推察される。「検定」という権力行使の前に,おそらくは信念を曲げる場面も少なからずあるだろうが,辛抱を重ね,必要に応じて妥協をして,教科書を世に出すことを優先されているのではないかと想像している。 このような昨今の情勢のなか,私も公教育に携わるにあたり,襟を正して取り組んでいる。諸々の制限のなかで,いかにして生徒さんたちに「学力」そして「競技数学における戦闘能力」を身に着けてもらうかを日々考えて工夫している。そこで,検定教科書を補うアイテム(プリント・テストなど)をこのような形で公開し,志を共にする先生方の参考に供させていただくこととした。もちろん,読者対象は指導者に限らず,新教育課程で学ぶ世代の高校生各位にも,意欲があるのであれば,使っていただきたい。 本書に付属するDVD講義では,高校生たちの『おい,このや ろ〜』という元気のよい掛け声が何箇所かに収められている。難関校を志願するクラスらしく,音圧のある掛け声になっている。日頃の『おい,このやろ〜』の教えが定着していることが伝わるであろう。 本書を含む単元別「教科書からの」シリーズが,次世代の挑戦者各位の知力と気力の増進に役立ちますように。 |
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午前9時~午後5時
(入館は4時半まで)
月曜日・祝日の翌日
年末年始
(12月27日~1月4日)
一般:300円
(中学生以下無料)
団体:250円
(20人以上)
■ 休館日 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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